はじめに
「英検2級を持っているなら、国際学級やグローバルコースのある学校を考えた方がいい?」
「インターナショナルクラスって、入学後はどんな授業?」
英語力のあるお子さまが中学受験を考える際、「国際学級・グローバルコース」は重要な選択肢になります。一方で、「一般クラスとどう違うのか」「進路や授業内容はどうなるのか」を正確に把握している保護者は少ないのが現状です。
本記事では、首都圏で国際学級・グローバルコースを設置している主要な私立中学校の制度を比較し、入学後の学びの違いをご紹介します。
国際学級・グローバルコースとは
「国際学級」「グローバルコース」「インターナショナルコース」など、学校により呼称は異なりますが、共通する特徴は以下の通りです:
- 英語の授業時間が一般クラスより多い(週8〜12時間)
- 数学・理科などを英語で行う「イマージョン教育」を実施する学校もある
- 海外大学進学を視野に入れたカリキュラム
- 帰国生・国内生どちらも在籍(学校により比率が異なる)
ただし、学校によって英語のレベル感・授業形式・卒業後の進路には大きな差があります。
主要校の国際学級・グローバルコース比較
広尾学園中学校(東京都港区)
コース構成:
- インターナショナルAG(Advanced Group):英語上級者向け、英語ネイティブと同等レベル
- インターナショナルSG(Standard Group):英検準2〜2級程度から始めるコース
- 本科:日本語中心の通常クラス
- 医進・サイエンス:理系特化
特徴:
- AGクラスは主要科目の半分以上を英語で実施
- 英語ネイティブ教員が複数在籍
- 海外大学進学者多数(毎年20名以上)
入試での英語要件:
- AG:英検2級以上が出願資格
- SG:英検準2級程度から
詳しくは 広尾学園中学校 完全ガイド をご覧ください。
三田国際科学学園中学校(東京都世田谷区)
コース構成:
- インターナショナルクラス:英検2級以上で出願可能、授業の半分が英語
- インターナショナルサイエンスクラス:理系特化+英語強化
- MSTC(Medical Science Technology Class):医療・科学技術系
- 本科:従来型の通常クラス
特徴:
- 「思考力・行動力・探究心」を重視した独自カリキュラム
- 中3全員参加の海外研修
- 高校でMYP(IB中等教育プログラム)を導入
入試での英語要件:
- インターナショナル:英検2級以上が望ましい
- 一般:英検優遇制度あり
詳しくは 三田国際科学学園 英語入試ガイド をご覧ください。
渋谷教育学園渋谷中学校(東京都渋谷区)
コース構成:
- 一般生・帰国生で共通カリキュラム(クラス分けなし)
特徴:
- 帰国生でなくても英語力があれば英語の習熟度別クラスで授業
- 海外大学進学実績が首都圏トップクラス
- 自由な校風で生徒主体の探究学習を重視
入試での英語要件:
- 帰国生入試:英検準1級以上が目安
- 一般入試:英検優遇制度なし(純粋な4教科入試)
開智日本橋学園中学校(東京都中央区)
コース構成:
- DLC(Dual Language Class):英語と日本語の両方で学ぶ
- LC(Leading Class):先取り学習中心
- AC(Advanced Class):探究中心
特徴:
- 国際バカロレア(IB)認定校
- TOEFL Primary・Junior優遇制度あり
- 中高6年でグローバルリーダー育成
文化学園大学杉並中学校(東京都杉並区)
コース構成:
- ダブルディプロマコース:日本とカナダ両方の高校卒業資格を取得
- グローバルコース:英語強化型
- 進学コース:通常型
特徴:
- カナダのブリティッシュコロンビア州の高校卒業資格を日本にいながら取得可能
- 海外大学への進学実績多数
日出学園中学校(千葉県市川市)
コース構成:
- グローバルコース:英語特化
- 進学コース:通常型
特徴:
- 千葉県エリアで国際的な学びを提供する数少ない私立校
- 帰国生・英語強化希望者向け
一般クラスとの違い
国際学級・グローバルコースに入った場合、一般クラスと以下のような違いがあります。
授業内容
| 項目 | 一般クラス | 国際クラス |
|---|---|---|
| 英語の授業時間 | 週4〜6時間 | 週8〜12時間 |
| 英語以外の科目 | 日本語で実施 | 一部英語で実施(学校による) |
| ネイティブ教員 | 補助的に登場 | メイン担当 |
| 教材 | 日本の教科書中心 | 英語の原書も併用 |
| 課題 | 日本語 | 英語のレポート・プレゼン多数 |
卒業後の進路
国際クラス卒業生の進路傾向:
- 海外大学進学:30〜50%(学校による)
- 国公立難関大学:英語力を活かした推薦・総合型選抜
- 私立難関大学:早慶上理、ICU、上智など英語重視校に強い
一般クラスとは進路の傾向が異なるため、お子さまの将来像と合うかを見極める必要があります。
国際クラスを選ぶ前に考えたい3つのこと
1. 子どもの「英語のモチベーション」
授業の半分以上が英語の場合、英語が苦手・嫌いな子は授業についていけません。「英語が好き」「英語で学ぶことに興味がある」という本人の気持ちが最重要です。
2. 「日本語での思考力」もキープできるか
英語で学ぶことに偏ると、日本語での論述・思考力が弱くなる懸念があります。多くの学校はバランスを取っていますが、国語の授業の質は学校選びの重要なポイントです。
3. 大学受験の戦略
海外大学を目指すならIB認定校・SAT対策がある学校が有利。国内の総合型選抜・推薦を狙うなら、英語特化の学校が有利。進路の方向性を早めに描くことが、コース選びにつながります。
「国際クラスでなくても英語は伸ばせる」という選択肢
国際クラスは強力ですが、唯一の正解ではありません。一般クラスでも、以下のような工夫で英語力を伸ばすことができます:
- 英検準1級・1級まで自分で取得
- オンライン英会話を継続(小学生向けオンライン英会話 7社徹底比較を参考)
- 学校の英語クラブ・留学プログラムを活用
- TOEFL・IELTS などの国際試験に挑戦
国際クラスに入ることが目的化しないよう、お子さまの全体的な学びをイメージしながら選んでください。
まとめ
- 国際学級・グローバルコースは英語の授業時間が多く、一部科目を英語で実施
- 学校により英語レベル・授業形式・進路傾向が大きく異なる
- 入学には英検準2級〜準1級が目安(学校による)
- 卒業後は海外大学進学率が高い傾向
- 一般クラスでも、工夫次第で英語力は十分伸ばせる
国際学級は「英語ができる子」のためのコースではなく、「英語で学ぶことに興味がある子」のためのコースです。お子さまの興味・進路イメージと合うかをよく見極めてから、選択肢の一つとして検討してください。
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- 初回公開:2026年5月
- 最終確認:2026年5月
- 対象年度:通年
- 編集体制:編集部が公式募集要項・学校説明会資料をもとに独自調査
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