はじめに
ESAT-J(イーサットジェイ) は、東京都教育委員会が実施する中学校英語スピーキングテストです。2022年度から都立高校入試に正式導入され、中学3年生が受験して、その結果が都立高校入試の合否判定に加味されます。
「うちの子はまだ小学生だけど関係ある?」と思われる保護者も多いですが、中学校に上がってから準備しても間に合わないのがこの試験。本記事では、ESAT-Jの概要・スコア構造・小中学生のうちにどう備えるかを整理します。
ESAT-Jとは
正式名称・実施機関
- 正式名称:中学校英語スピーキングテスト(English Speaking Achievement Test for Junior High School Students)
- 実施機関:東京都教育委員会
- 対象:東京都内の公立中学校3年生(私立中学校・国立中学校の生徒は受験対象外)
実施時期
毎年11〜12月頃に実施。都内の中学校3年生全員が同じ日に同じテストを受けます。
試験形式
- タブレット端末を使った録音方式
- 試験時間:約15分
- 4つのパートで構成(音読・質疑応答・自分の意見発表など)
都立高校入試での扱い
ESAT-Jの結果は、都立高校入試の総合得点に20点満点として加点されます。学力検査の合計点(700点満点)に加算される形式です。
ESAT-Jのスコアと合否への影響
スコア体系
ESAT-Jの結果は A〜F の6段階で評価され、それぞれ20点換算では以下のように加点されます。
| グレード | 加点 |
|---|---|
| A | 20点 |
| B | 16点 |
| C | 12点 |
| D | 8点 |
| E | 4点 |
| F | 0点 |
合否への影響度
700点満点の都立高校入試において、20点は約2.9%。一見、影響が小さく感じますが、合否ライン上で1点を争う激戦になる進学校では、A評価とF評価の差(20点)が合否を分けるケースもあります。
例:日比谷高校・西高校・国立高校・戸山高校など、難関都立校では1点で順位が大きく動く
試験内容(パート別)
Part A:英文を声に出して読む(2問)
画面に表示される英文を音読する。発音、抑揚、リズムが評価される。
Part B:質問に答える(4問)
英語のイラスト・写真を見て、4つの質問に答える。即興力が問われる。
Part C:ストーリーを英語で説明する(1問)
連続した4コマのイラストを見て、ストーリーを英語で説明する。文を組み立てる力が評価される。
Part D:自分の意見を述べる(1問)
英語のテーマが提示され、自分の意見と理由を1分間で述べる。論理的な発信力が問われる。
小中学生のうちにできる備え
小学生(小4〜小6)
ESAT-Jを受けるのは中3ですが、英語のスピーキング力は短期間で身につくものではありません。
推奨される取り組み
- 英会話教室・オンライン英会話:週1〜2回、ネイティブとの会話
- 英検3級・準2級の2次試験対策:ESAT-Jと類似する形式
- 音読習慣:英語の絵本・教科書を毎日5分音読
詳しくは 中学受験における英語学習スタート時期|小1・小3・小5それぞれの戦略 もご覧ください。
中学1〜2年生
ESAT-Jを意識した本格対策は、中2の後半〜中3の春から始めるのが理想です。
推奨される取り組み
- 英検3級〜準2級の取得:2次面接の経験がESAT-Jに直結
- 英語日記:1日3文でも書く習慣で、英作文・スピーキングの基礎を固める
- 英語プレゼン:学校の英語の授業でも、進んで発表する習慣
詳しくは 英検2次面接(スピーキング)対策|小学生でも怖くない3つのポイント も参考にしてください(小学生向けですが、中学生にも応用可能)。
ESAT-Jと英検の関係
ESAT-Jと英検2次試験は、形式が非常に似ています。具体的には:
| 項目 | ESAT-J | 英検3級2次試験 |
|---|---|---|
| 形式 | タブレット録音 | 対面面接 |
| 音読 | あり | あり |
| 質疑応答 | あり | あり |
| 意見発表 | あり | あり |
| 試験時間 | 約15分 | 約5分 |
英検の取得経験は、ESAT-J対策にそのまま活かせます。中学2年生までに英検3級・準2級の2次試験を経験しておくと、ESAT-J本番の負担が大きく減ります。
私立中学進学者は対象外(注意点)
ESAT-Jは東京都内の公立中学校3年生のみが対象です。
- 私立中学校(中高一貫校)の生徒は受験対象外
- 国立中学校の生徒も対象外
- 都外の公立中学校の生徒も対象外
つまり、中学受験で私立中学に進学した場合、ESAT-Jは関係ありません。ただし、私立高校でも英語スピーキング能力を独自評価する学校が増えているため、英語のスピーキング力自体は重要です。
ESAT-Jをとりまく今後の動向
全国展開の動き
東京都のESAT-Jの取り組みは、他の自治体からも注目されています。神奈川県・大阪府などでも、英語スピーキング評価の導入が議論されています。
入試での比重増加の可能性
20点満点の現状から、将来的にはさらに比重が大きくなる可能性も指摘されています。英語の発信力は、今後の高校入試でますます重要になっていくでしょう。
まとめ
- ESAT-Jは東京都の公立中3生が対象の英語スピーキングテスト
- 都立高校入試で20点満点として加点
- 難関校ではA評価とF評価の差(20点)が合否を分けることも
- 試験形式は英検2次試験と類似、英検取得経験が活きる
- 小学生のうちから英会話・音読・英検2次対策で備える
- 私立中学進学者は対象外だが、スピーキング力自体は重要
英語のスピーキング力は、一朝一夕では身につきません。お子さまの中学受験・高校受験を見据えて、早めから無理のない範囲でスピーキング体験を積むことが、将来の可能性を広げます。
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