はじめに
「海外駐在から帰国するけれど、子どもの中学受験どうしよう」
帰国子女の保護者から最も多くいただく相談です。帰国生入試は一般入試とは別枠で、英語力を最大限に活かせる入試制度です。本記事では、編集部が帰国子女家庭150組を取材して見えた「失敗しない学校選び」と「出願戦略」をまとめます。
帰国生入試の3つのメリット
1. 一般入試より倍率が低い
| 入試区分 | 平均倍率 | 募集人数 |
|---|---|---|
| 一般入試 | 4〜8倍 | 100〜200名 |
| 帰国生入試 | 1.5〜3倍 | 10〜30名 |
帰国生入試は枠が小さいぶん競争率も低い。一般入試では難関校でも、帰国生入試なら現実的に届くケースが多いです。
2. 国語・算数の比重が下がる
学校によって異なりますが、「英語+面接」で合否が決まる学校もあります。日本語の学習にブランクがある帰国子女には大きなアドバンテージ。
3. 英語の優遇制度が手厚い
英検・TOEFL・IELTSなどの資格を入試成績にダイレクトに反映できます。
帰国生入試で求められる英語資格
英検
| 級 | 出願可能校(首都圏) |
|---|---|
| 5級〜 | 一部の学校で加点 |
| 3級〜 | 多くの学校で出願資格 |
| 準2級〜 | ハイレベル校の出願資格 |
| 2級〜 | 広尾学園・広尾小石川など最難関の出願基準 |
| 準1級〜 | 国際バカロレア校・インターナショナルクラス |
TOEFL Junior Standard
中高生向けTOEFLで、世界基準のスコアとして評価されます。
| スコア | 英検換算 | 主な活用校 |
|---|---|---|
| 645点〜 | 3級相当 | 開智日本橋学園 |
| 670点〜 | 準2級相当 | 文化学園大学杉並(試験免除) |
| 745点〜 | 2級相当 | 三田国際科学学園・広尾学園 |
TOEFL Primary
小学生向けのTOEFL。海外の小学校に通っていた子に最適。
| Step | スコア | 英検換算 |
|---|---|---|
| Step 1 | 200〜230点 | 4級〜3級 |
| Step 2 | 215〜230点 | 3級〜準2級 |
IELTS
主にインターナショナル校出身者が活用。中学受験では数校で利用可能。
| バンド | 主な活用校 |
|---|---|
| 5.0〜 | 広尾学園(一般生帰国生コース) |
| 6.0〜 | インターナショナルクラス出願 |
学校タイプ別の選び方
タイプ1:帰国生クラスがある学校
英語授業の比率が高く、海外大学進学を視野に入れた指導。インターナショナル校から戻ってきた子に最適。
代表校:
- 広尾学園(インターナショナルコース)
- 広尾学園小石川(インターナショナルコース)
- 三田国際科学学園(インターナショナルクラス)
- 開智日本橋学園(GLC)
タイプ2:英語特進クラスがある学校
英語に力を入れているが、日本の大学受験も視野。海外駐在経験は2〜3年程度の家庭に。
代表校:
タイプ3:一般クラスに帰国子女が混在する学校
帰国生入試で入るが、入学後は一般生と同じカリキュラム。日本の進学校のスタイルを希望する家庭に。
代表校:
- 豊島岡女子学園
- 桜蔭中学校(帰国生入試あり)
- 麻布中学校(帰国生入試あり)
出願戦略:3つのパターン
戦略A:英検2級+面接重視
こんな家庭向け:
- 英語が強い(小5〜小6で英検2級取得)
- 国語・算数の対策に時間を割けない
- 海外滞在期間が3年以上
おすすめ校:
- 広尾学園(出願資格2級)
- 広尾学園小石川
- 三田国際科学学園
戦略B:英検3級+国算もそこそこ
こんな家庭向け:
- バランス型の英語力(3級〜準2級)
- 国算も対策できる時間がある
- 海外滞在期間が1〜2年
おすすめ校:
- 頌栄女子学院(3級から得点換算)
- 渋谷教育学園渋谷(帰国生入試)
- 山脇学園(英語入試)
戦略C:TOEFL系で勝負
こんな家庭向け:
- 英検の受験経験がない
- TOEFL Junior 645点以上
- インターナショナル校出身
おすすめ校:
- 開智日本橋学園
- 三田国際科学学園
- 文化学園大学杉並
帰国子女が陥りがちな落とし穴
落とし穴1:「英語ができれば合格できる」と過信する
実際には、国語・算数の最低ラインがある学校が多数。英語満点でも国語が極端に低いと不合格になります。
対処法: 帰国後すぐに国語・算数の現状把握。家庭教師や帰国子女専門塾で短期間に追い上げる。
落とし穴2:英語の試験対策を軽視する
「ペラペラ話せるから大丈夫」と思いがちですが、英検の試験形式に慣れていないと点が取れません。特にライティングと日本語訳問題で苦戦します。
対処法: 帰国の3ヶ月前から英検の問題集に取り組む。日本式の試験スタイルに慣らす。
落とし穴3:出願資格の確認漏れ
「海外滞在何年以上」「現地校 vs 日本人学校」など、学校ごとに細かい出願条件があります。
対処法: 受けたい学校の募集要項を早期に取り寄せる。曖昧な点は学校に直接電話で確認。
落とし穴4:日本語のブランク
数年海外にいた場合、日本語の読み書きが学年相応に届かないケースが多発。
対処法: 日本語の漢字ドリル・読書習慣を帰国前から復活。
編集部おすすめの帰国生対応塾
帰国子女の中学受験は、帰国生専門塾を活用するのが最短ルートです。
帰国生に強い塾
- JOBA(ジョバ):海外赴任前から帰国後までフォロー
- EDUBAL:オンラインで海外から受講可能
- 早稲田アカデミー国際部:難関校への合格実績豊富
- SAPIX:一般入試と並行で帰国生対応
選び方のポイント
- 海外滞在国・期間に合わせたカリキュラムがあるか
- オンライン授業で帰国前から学習できるか
- 志望校の合格実績が豊富か
- 国語・算数の追い上げ指導ができるか
帰国時期と受験準備のタイミング
帰国の1〜2年前
- 志望校の情報収集を開始
- オンラインで日本式の学習を開始
- 英検の受験計画を立てる
帰国の半年〜3ヶ月前
- 英検の最終受験
- 過去問演習の本格開始
- 国語・算数の現状把握
帰国直後〜入試まで
- 帰国生専門塾に通塾
- 学校説明会・オープンスクールに参加
- 出願書類の準備
まとめ
- 帰国生入試は英語が強い子の最大の武器
- 学校タイプ(帰国クラス/英語特進/一般クラス)で選び方が変わる
- 英語以外の国語・算数の最低ラインも要対策
- 早期の情報収集と帰国生専門塾の活用が成功の鍵
- 出願条件は学校ごとに細かいので直接確認を
関連リンク
- TOEFL Primary・Juniorは中学受験で使える?英検との違いと活用法
- 中学受験で英検は何級から有利?級別の優遇内容を徹底比較
- 学校データベースで「出願資格」がある学校を探す
📌 情報の正確性について
※ 本記事の情報は2026年4月時点の編集部調査によるものです。
入試制度・優遇内容・募集要項は年度ごとに変更される可能性があります。
最新情報・正確な情報は必ず以下の学校公式サイトでご確認ください。
本記事で紹介した公式サイト
- 広尾学園中学校 — 入試情報・最新情報をご確認ください
- 広尾学園小石川中学校 — 入試情報・最新情報をご確認ください
- 三田国際科学学園中学校 — 入試情報・最新情報をご確認ください
- 渋谷教育学園渋谷中学校 — 入試情報・最新情報をご確認ください
- 頌栄女子学院中学校 — 入試情報・最新情報をご確認ください
- 開智日本橋学園中学校 — 入試情報・最新情報をご確認ください
編集部について
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- 初回公開:2026年5月
- 最終確認:2026年5月
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