はじめに
「国際バカロレア(IB)という言葉をよく聞くけれど、結局なんのこと。」
「英語に強い学校を探していたら『MYP認定校』と書かれていたが、普通の英語教育と何が違うのか知りたい。」
中学受験を控えた小学生の保護者の方から、こうした声をよく耳にします。本記事では、国際バカロレア(IB)の基本 を整理したうえで、首都圏を中心にMYP(中学生向けプログラム)を導入している中学校 をご紹介します。
英検対策と並んで「中学進学後にどんな学びを得られるか」を考える材料としてご活用ください。
国際バカロレア(IB)とは
国際バカロレア(International Baccalaureate、以下IB)は、スイスのジュネーブに本部を置く 国際バカロレア機構(IBO) が運営する、世界共通の教育プログラムです。1968年に設立され、現在は世界160以上の国と地域で導入されています。
公式情報は文部科学省の IB教育推進コンソーシアム で確認できます。
IBの4つのプログラム
IBは年齢別に4つのプログラムが用意されています。
| プログラム | 対象年齢 | 学校段階 |
|---|---|---|
| PYP(Primary Years Programme) | 3〜12歳 | 幼稚園〜小学校 |
| MYP(Middle Years Programme) | 11〜16歳 | 中学校〜高校1年 |
| DP(Diploma Programme) | 16〜19歳 | 高校2年〜3年 |
| CP(Career-related Programme) | 16〜19歳 | キャリア関連 |
小学生のお子さまが中学校進学で関わるのは、主に MYP(ミドル・イヤーズ・プログラム) です。一部の学校では小学校段階でPYPを実施しており、その流れで一貫校としてMYPに接続するケースもあります。
一般的な学校と何が違うのか
IBの最大の特徴は、知識の暗記よりも「探究」「批判的思考」「自分の意見を表現する力」を重視する 点にあります。
- 教科横断的な学び(例:歴史と地理を組み合わせて社会課題を考える)
- 「なぜそうなるのか」を問い続ける授業設計
- 評価はテストの点数だけでなく、エッセイ・プレゼン・実技などを総合的に判断
- ボランティアや創作などの体験活動が必修
ただしIBは英語のみで授業を行うとは限りません。日本語で実施する学校も多く存在します。
MYP(中学校段階)で身につく力
MYPは中学校1年生から高校1年生までの4〜5年間で実施されるカリキュラムです。以下の8つの教科グループを学びます。
- 言語と文学(国語)
- 言語の習得(外国語)
- 個人と社会(社会科)
- 理科
- 数学
- 芸術
- 保健体育
- デザイン(テクノロジー含む)
各教科の中で、年に1回以上 「個人プロジェクト」「学際的単元」「奉仕活動」 などを必ず組み込みます。MYP最終年度には、自分でテーマを決めて長期間取り組む 「パーソナルプロジェクト」 を完成させる必要があります。
つまり、入学後は「言われたとおりに覚える」だけでは進めません。自分でテーマを見つけ、調べ、まとめ、発表する ことを繰り返す環境になります。
首都圏を中心としたMYP認定中学校
ここでは、MYPを導入している代表的な中学校をご紹介します。最新の認定状況は各校公式サイトでご確認ください。
開智日本橋学園中学校(東京都中央区)
公式サイト: https://www.kng.ed.jp/
特徴:
- MYP・DP両プログラムの認定校
- 国際生クラスは英語ベースでMYPを実施
- グローバルリーディングクラスは日本語ベースでMYPを実施
- 開智学園グループの一員
詳しくは 開智日本橋学園 公式 国際バカロレア紹介ページ をご覧ください。
開智望中等教育学校(茨城県つくばみらい市)
公式サイト: https://nozomi.kaichigakuen.ed.jp/
特徴:
- 中等教育学校(中高一貫6年制)
- 小学校6年生から中等4年(高校1年)までの段階でMYPを実施
- 探究型授業を全学年で展開
玉川学園中学部(東京都町田市)
公式サイト: https://www.tamagawa.jp/academy/
特徴:
- 幼稚部から大学院まで擁する総合学園
- IBクラスは小学5年生から高校3年生までを対象に、PYP・MYP・DPを一貫実施
- 一般クラスとIBクラスを併設
ぐんま国際アカデミー中等部(群馬県太田市)
公式サイト: https://www.gka.ed.jp/
特徴:
- 構造改革特区第1号認定校として12年一貫の英語イマージョン教育を実施
- 初等部(小学校)からPYP、中等部・高等部でMYP・DPを展開
- 群馬県唯一のIB認定一条校
加藤学園暁秀中学校(静岡県沼津市)
公式サイト: https://www.katoh-net.ac.jp/gyoshu/
特徴:
- 日本で最初期にIBを導入した学校の一つ
- バイリンガルコースを設置
このほか、関西では同志社国際学院・立命館宇治・AICJ(広島)などがMYPを実施しています。最新の全国一覧は文部科学省 IB教育推進コンソーシアム 認定校・候補校一覧 でご確認いただけます。
中学受験で「IB校」を選ぶ前に確認したいこと
IB校を志望する前に、以下の点を整理しておくと安心です。
1. お子さまが探究型の学びに向いているか
IB校は「自分でテーマを決めて取り組む」課題が非常に多くなります。指示通りに覚えるのが得意なタイプより、疑問を持ち、自分で調べたがるタイプ の方が伸びやすい傾向があります。
2. 卒業後の進路設計
MYPを卒業した後、そのままDP(高校段階)まで継続するのか、一般の高校カリキュラムに切り替えるのかは学校により異なります。
DPまで取得すれば海外大学・国内のIB入試で活用できますが、MYPだけだと大学入試で直接評価される機会は限られます。
3. 学費
IB校は一般的な私立校より学費が高めに設定されていることが多くなります。中学・高校・大学までの長期的な家計設計が必要です。
4. 英語力の前提
学校によっては英語ベースでMYPを実施しているため、入学時に一定の英語力が求められます。英検3級〜2級程度を目安にする学校が多い印象ですが、出願条件は学校ごとに大きく異なります。各校の最新の募集要項を必ず確認しましょう。
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まとめ
国際バカロレアは「世界基準の探究型カリキュラム」です。小学生のうちから中学受験の選択肢に入れる場合は、お子さまの学び方の好み・卒業後の進路・家計の3点 を慎重に検討する必要があります。
英検対策で英語力を磨きながら、お子さまにとって最適な学びの場を一緒に探していきましょう。
出典・参考:
- 文部科学省 IB教育推進コンソーシアム https://ibconsortium.mext.go.jp/
- 国際バカロレア機構(IBO)公式サイト https://www.ibo.org/
- 各校公式サイト(記事内記載のURL参照)
※本記事は2026年6月時点の情報を元に作成しています。最新の認定状況・入試要項は必ず各校公式サイトでご確認ください。
