はじめに
「中学受験で英語に力を入れてきた。高校でも英語力を伸ばし続けたい。」
「『DPコース』のある高校をすすめられたが、普通科とどう違うのか整理したい。」
中学生のお子さまが高校受験を控える時期になると、国際バカロレア(IB)の DP(ディプロマ・プログラム) が選択肢として登場します。本記事では、DPの仕組み・国内のDP認定高校・進学先までを整理してご紹介します。
「英検優遇入試」で高校を選んでいるご家庭にとって、もう一段深い検討材料となるはずです。
国際バカロレア(IB)DPとは
国際バカロレア(IB)は世界共通の教育プログラムで、年齢別に4つのカリキュラムがあります。
| プログラム | 対象年齢 | 学校段階 |
|---|---|---|
| PYP | 3〜12歳 | 幼稚園〜小学校 |
| MYP | 11〜16歳 | 中学校〜高校1年 |
| DP | 16〜19歳 | 高校2年〜3年 |
| CP | 16〜19歳 | キャリア関連 |
高校受験で登場する DP(Diploma Programme) は、最終2年間(高校2年〜3年)で実施される、いわば「IBの集大成」にあたるプログラムです。
公式情報は文部科学省 IB教育推進コンソーシアム で確認できます。
DPの基本構造
DPでは、以下の6つの教科グループから1科目ずつ選択して履修します。
- 言語と文学(母語)
- 言語の習得(外国語)
- 個人と社会(歴史・地理・経済など)
- 理科
- 数学
- 芸術
このうち3科目は HL(ハイヤーレベル)、3科目は SL(スタンダードレベル) で履修します。さらに以下の 3つのコア要素 が必修です。
- TOK(Theory of Knowledge):知の理論。「知るとはどういうことか」を考察
- EE(Extended Essay):4,000語程度の自主研究論文
- CAS(Creativity, Activity, Service):創造・活動・奉仕の体験活動
最終評価は 満点45点(教科42点+コア3点) で算出されます。
DPを修了すると何ができるのか
DPを修了し、一定スコアを取得すると 国際バカロレア・ディプロマ資格 が授与されます。この資格は、世界100カ国以上の大学で出願資格として認められています。
国内大学でも、東京大学・京都大学・筑波大学・国際基督教大学(ICU)・上智大学・早稲田大学・慶應義塾大学など、多くの大学がIB入試を実施しています。詳しくは姉妹記事 高校生のためのIB進路ガイド をご覧ください。
DPコースを置く高校の3タイプ
DPを実施する国内の高校は、大きく以下の3タイプに分かれます。
タイプ1:公立DP校
都立国際高校など、公立高校でDPコースを併設している学校。授業料が抑えられる点がメリットです。
タイプ2:私立IB一貫校
開智日本橋学園・玉川学園・ぐんま国際アカデミーなど、中学校から一貫してIBを展開する学校。MYPからDPへスムーズに接続できます。
タイプ3:高校からDPを導入する学校
茗溪学園・仙台育英・名古屋国際など、高校段階でDPコースを新設している学校。中学からの内部生に加え、高校受験で外部生も受け入れます。
国内の主要DP認定高校
ここでは、特に高校受験で外部からの入学が可能なDP認定校を中心にご紹介します。最新の入試情報は各校公式サイトでご確認ください。
東京都立国際高等学校(東京都目黒区)
公式サイト: https://kokusai-h.metro.ed.jp/
特徴:
- 都立で初めて、平成27年5月にDP認定を取得
- 国際学科とは別に「国際バカロレアコース」を設置
- 公立高校のためコストを抑えられる
- 帰国生・在京外国人生徒入試あり
詳しくは 都立国際高校 国際バカロレアコース紹介ページ をご覧ください。
茗溪学園高等学校(茨城県つくば市)
公式サイト: https://www.meikei.ac.jp/
特徴:
- 2017年度よりIBDPコースを開設
- 第1期生(2020年3月卒業)全員がDPを取得
- 探究学習に長年取り組んできた伝統校
仙台育英学園高等学校(宮城県)
公式サイト: https://www.sendaiikuei.ed.jp/hs/
特徴:
- 東北初のIBDP認定校
- 外国語コース でIBDPを実施
- 日本語デュアルランゲージプログラムを国内で初めて採用
- 2024年度より一般入試枠でも受験可能
詳しくは 仙台育英学園 IBDPコース紹介ページ をご覧ください。
名古屋国際中学校・高等学校(愛知県名古屋市)
公式サイト: https://www.nihs.ed.jp/
特徴:
- PYP・MYP・DPすべてを実施する一貫校
- 高校2年からDPコースに進む構成
- 中部地区を代表するIB校
開智日本橋学園高等学校(東京都中央区)
公式サイト: https://www.kng.ed.jp/
特徴:
- MYP・DP両プログラムを実施
- 中学から内部進学する生徒が中心
- 探究型授業が学校全体に浸透
玉川学園高等部(東京都町田市)
公式サイト: https://www.tamagawa.jp/academy/
特徴:
- 一般クラスとIBクラスを併設
- 小学5年から高校3年までの一貫IB教育を提供
ぐんま国際アカデミー高等部(群馬県太田市)
公式サイト: https://www.gka.ed.jp/
特徴:
- 12年一貫の英語イマージョン教育
- 高等部でDPを実施
- 海外大学進学者を多数輩出
このほか、AICJ高校(広島)・立命館宇治高校(京都)・大阪女学院(大阪)などもDP認定校です。最新の全国一覧は文部科学省 IB教育推進コンソーシアム 認定校・候補校一覧 でご確認いただけます。
DPコースを選ぶ前に確認したいこと
DPは魅力的な選択肢ですが、安易に飛び込むと負担が大きく感じられることもあります。以下を必ず確認してください。
1. 学習量と難易度
DPの2年間は エッセイ・課題・プレゼンが連続する非常にハードなカリキュラム です。教科横断的な思考力が問われるため、暗記中心の学習スタイルから切り替えが必要になります。
2. 国内一般入試との両立
DPを履修しながら、共通テスト・国内一般入試の対策も並行する場合、時間配分が大きな課題となります。DP校の多くは「IB入試」「総合型選抜」「指定校推薦」など、IBスコアを活かせる進学ルートを用意しています。
3. 日本語DPか英語DPか
DPは英語で実施するイメージがありますが、 日本語DP で実施する学校も多くあります。授業言語によって、必要な英語力・進学先の幅が変わります。
4. 学費と進学費用
DPコースは追加履修料がかかる学校があります。さらに海外大学進学を視野に入れる場合、学費・寮費・渡航費などの長期的な家計設計が不可欠です。
5. 高校受験での入学難易度
DPコースは募集人数が少ない学校が多く、英語力や面接など、一般入試とは別の選考が行われることがあります。中学2〜3年生のうちに各校の説明会へ足を運び、求める生徒像を直接確認しましょう。
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- 高校生向け IB進路ガイド(国内IB入試・海外進学)
まとめ
IBのDPは、高校2〜3年で 論文・探究・主体的活動 を中心に学ぶ、世界基準のプログラムです。国内大学のIB入試にも、海外大学進学にも繋がる強力なルートですが、学習量・学費・授業言語などを家庭でしっかり整理する必要があります。
英検優遇入試の延長線として、IBは「もう一段深く英語と探究力を伸ばしたい」お子さまにとって有力な選択肢です。
出典・参考:
- 文部科学省 IB教育推進コンソーシアム https://ibconsortium.mext.go.jp/
- 国際バカロレア機構(IBO)公式サイト https://www.ibo.org/
- 各校公式サイト(記事内記載のURL参照)
※本記事は2026年6月時点の情報を元に作成しています。最新の認定状況・入試要項は必ず各校公式サイトでご確認ください。
